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池上彰さんの講演会に行ってきました②

2019年10月23日

昨日のレポートに続いて池上彰さんの講演会「大学入試改革も怖くない!時事ニュース読み解きで学力アップ」のレポート第2弾です。

テーマは2020年の大学入試改革について。ご家庭でできる対策についてのお話でした。

講演中、内容をこんな感じでまとめてくれています。

すごく分かりやすい!

 

(以下、講演内容です)

ニュースを学力アップに役立てるには

戦後、日本は先進国に追いつくために頑張ってきました。つまり先進国というモデルがありました。

そして、そのモデルに追いつくことができました。しかし、その時点でモデルがなくなってしまったのです。

21世紀になり、問いを立て、自分の頭で考え、記述式で答える力が求められています。これが日本社会の根底にある問題です。

入試制度がどう変わろうが対応できる力を身につけることが課題です。その力を育てるために、ニュースを導入にして考えると役に立ちます。

 

PISAという、OECDが進めている15歳時の学習到達度を測る国際的な調査での学力テストがあります。読解力、数学力、科学的リテラシー(理科)などを測ります。

その調査のアンケートの中に新聞を読んでいるかどうかの質問がありました。

そこで「学力が高いほど新聞を読んでいる」ということが分かりました。

日本でも全国学力調査テストにおいて、「ニュースに関心があるかどうか?」という問いに対して「学力が高いほど関心あり」という結果が出ています。

ここに相関関係はあります。しかし因果関係はあるかどうかは分からない。「学力が高いほどニュースに関心があり、新聞を読んでいる人が多い」というのは事実だが、「ニュースに興味があって新聞を読んだから学力が高くなった」かどうかは分からない、ということですね。

ただ、おそらく関係しているのではないかという推察はできます。

では、ニュースをどう勉強につなげるといいのでしょう?

例1.スーパー台風

例えば・・・

大きな被害をもたらした台風19号。日本に近づいても勢力が衰えないスーパー台風です。

これまで、多くの台風はは日本付近で弱まりました。今回は勢力が弱まらないまま日本に上陸に上陸してしまいました。

なぜなら、日本近海の海水温が高かったからです。

じゃあ「海水温が高かったら、なぜ台風の勢いが弱まらないの?」という疑問を子どもたちに投げかけてみてください。

「じゃあ、なんで海水温が高いの?」「地球温暖化と関係がある?」

温暖化と因果関係はあるかどうか分からないが、温暖化が海水温に与える影響は必ずあると推察されます。だから今後はスーパー台風の頻度が高まることが予想されます。

このようは会話ができると理科の学習につながりますね。

例2.気候行動サミット

なぜ、地球温暖化で南の島が水没すると言われているのでしょう?

(地球温暖化が叫ばれていますが、「温暖化」だけではありません。「寒冷化」する地域もあるんですよ。)

北極や南極の氷が解けても水面は上がりません。コップの中の氷が解けても推移が変わらないのと同じですね。

しかし周辺の陸地にある氷が解けると推移が上がります。また海水が暖められると膨張します。それで海水面が上がるんですね。

でもなんで南だけなのでしょう?

それは地球が自転しているから。一番遠心力が働くのは、赤道付近。だから南の島で海面が上がるんですね。

例3.16歳少女の国連気候行動サミットでの演説について

スウェーデンの16歳の高校生、グレタ・トゥンベリさんの演説で、EUは動きだしました。

たった一人の行動が400万人のデモ行進につながりました。高校生一人の行動が世界を動かすことができるんですよね。

でも、高校生としての彼女の行動はどうなのでしょう?

彼女の行動は、よいのでしょうか?それとも悪いのでしょうか?

あなたの考えを述べてください。

そんな問題が中学入試などの小論文に出ても不思議ではありませんね。

また彼女は発達障害を抱えています。コミュニケーションが苦手な彼女ですが、自分の意見を伝えたいという思いが病気との闘い、克服につながったのではないでしょうか。

例4.香港の民主化運動

今、なんで香港はあんなにデモが相次いでいる状況なのでしょう?

それは香港が中国の一部なのにイギリスが支配していたのが大きな原因です。

では、なんでイギリスが統治していたのでしょう?

それはアヘン戦争をイギリスがしかけて割譲したからですよね。そして当時のイギリスは、植民地であるインドで作ったアヘンの貿易をしていました。そういった歴史的背景があるんです。

イギリスは香港を中国に返還する前にイギリス流の民主主義を置いていきました。でも中国はそれを認めません。

香港の民主化運動の象徴である女の子、アグネス・チョウも15歳で行動を始めました。日本語も独学で習得したんですね。その影響もあってか日本のような民主主義を目指しているんです。

では、彼女が求めている民主主義とは、どんなものなのでしょう?

だれでも立候補でき、だれでも投票できるという制度ですね。

例5.EU離脱問題

イギリスがEUから離脱すると決まったのは3年前なのに、いまだにもめています。

大きな要因はアイルランドでの関税問題です。

そこにも歴史的背景があります。イングランドがアイルランドを占領したところから始まります。

アイルランドのカトリック、イングランドのプロテスタント両方に過激派が生まれ争いが激化します。やがてベルファスト合意を結んで紛争は終結。近年、両国間が平和だったのは、どちらもEUに入っていたからなんです。

そして2016年の国民投票の結果、ブレグジット(イギリスのEU離脱)が決まってしまいました。

イギリスがEUから離脱し、EUに加盟しているアイルランドとの間に国境を設けると、以前のように紛争が起こるのではないかという懸念があるんです。それがアイルランドでの関税問題です。

でも今、行われているラグビーW杯のアイルランド代表は、アイルランドとイギリスの北アイルランドの統一チームなんです。だからアイルランドの国旗、国歌を使わないんですね。

AIに負けないチカラを入試で身につける

今、話題のAIですが、文章を読み、意味を理解して、答えを出しているのではありません。確率的に高いだろうと思われるものを検索結果から選んでいるだけなんです。だからAIに負けないためには読解力が必要です。

ここまで話したように、新聞で読解力をつけることができます。するとAIに仕事を取られるということもありません。当然、入試にも役に立ちます。

新しい入試は、生きていく力をつけるための学力も育てられる制度だと言えるでしょう。

(講演内容ここまで)

時事ニュースで学力をアップさせるために親に必要なこと

例として話されていたことを全て挙げてみたので、少し長かったですね。

休憩時間に考えていて、そして次のパネルディスカッションでも池上さんが述べていたことです。

上記の例のようにニュースに疑問を持ち、「なぜ?」と問いを発すること、またその答えを探すこと。これらを子どもたちだけで完結させるのは容易ではありません。

つまり親である私たちが日々勉強し、問題意識を持ち、子どもたちに接することが大切です。

ニュースに接していても、ついつい「あー、そうなん」で終わってしまったり、「自分とは関係のない遠いところでの出来事」と無関心になってはいけないということですね。(思いっきり自戒を込めて。)

 

最後までお読みいただいて、ありがとうございます。

勉強や入試に役立つ情報をお送りします。
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