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『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

2018年04月10日

何人かの塾の先生たちの書評を読んで買ってみました。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

目次はこんな感じです。第3章、第4章に興味があって読みたかったので、そこだけ見出しも書いておきます。

第1章 MARCHに合格――AIはライバル
第2章 桜散る――シンギュラリティはSF
第3章 教科書が読めない――全国読解力調査
・人間は「AIにできない仕事」ができるか?
・数学ができないのか、問題文を理解していないのか?――大学生数学基本調査
・全国2万5000人の基礎的読解力を調査
・3人に1人が、簡単な文章が読めない
・偏差値と読解力
第4章 最悪のシナリオ
・AIに分断されるホワイトカラー
・企業が消えていく
・そして、AI世界恐慌がやってくる

前半は「AIって何なの」「AIに何ができて、何ができないのか」「AIが人間を越えられるのか」といったことが書かれています。

この部分が非常に分かりやすくて、また自分があやふやな理解しかできていなかったことを痛感しました。

後半は教育に携わる者として興味深いタイトルがズラッと並んでいます。

「迫ってきているのは、勤労者の半数を失業の危機にさらしてしまうかもしれない実力を培ったAIと、共に生きていかざるを得ない社会」

「現代に生きる私たちの多くは、AIには肩代わりできない種類の仕事を不足なくうまくやっていけるだけの読解力や常識、あるいは柔軟性や発想力を十分に備えているでしょうか」

ということで著者は大学生や高校生、中学生の読解力の調査を実施します。(テスト内容がなかなか面白かったですよ。)

その結果、半数以上の生徒は教科書に書いてある内容が理解できないとしています。

これはうなずけますね。学校で平均的な成績を取る生徒は教科書は理解できていないでしょうから。半数どころか、もしかしたら上位3割くらいの生徒でも怪しい部分があると思います。

でも、「こうすれば読解力は上がる」ということは見つからないものの「いくつになっても読解力は養える」と書いてくれているのには救われます。

最後に著者のAIが活躍するかなり悲観的な未来予想図、そして、そこにある一筋の光明は『お金2.0』に書かれている世界と共通するものがありますね。

全体を通して読みやすく一気に読めると思います。この本も教室に置いてありますので、興味のある方はぜひ!

 

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