2018年04月18日
物語風に書いてみますが、今回のお話は決して美談ではないと考えています。ぜひ、最後までお読みくださいませ。
(写真は学校のサイトよりお借りしました。)
このままでは入試で満点を取る必要があります…
ちょうど1年前のことです。塾生であるKくんと保護者様から、こんな相談がありました。
「どうでしょう?今の成績で三国丘高校に合格できるでしょうか?」
模擬テストの成績を見る限り、実力では何とか三国丘高校を狙えそうなレベルに達しています。でも通知表の成績を確認して目を疑いました。
何と45点満点中(9教科×5段階評価です)35点しかなかったのです。
三国丘に合格する生徒はオール5に近い成績の生徒が多数を占めていると思われます。
「はい。可能性はあります。でもかなり厳しい状況です。入試で満点近く取らないといけないかもしれません」
昨年、一昨年のデータをチェックしてみても、そんな内申点で合格した生徒は皆無でした。
でもKくんと保護者様の素晴らしいのはここからです。「可能性があるなら、チャレンジすべきでしょ!」とおっしゃったのです。
なんで内申点が取れなかったの?
Kくんは1年生のころから三国丘高校をはじめとするトップ校を狙っていました。割としっかりとした性格で、学校でも真面目にしていると信じ切っていました。
私の甘さです…
真面目にしていなくもないのですが、どうやら提出物に出し漏れがあったようです。また、授業中についコックリ、なんてこともあったそうです。それで科目によっては「2」がついていました。
内申点が8点アップ!でも…
面談の結果が効いたのか、3年生の内申点は9科目中7科目で「5」、45点中43点に!
それでも大阪府の公立高校入試では、上位校は1年生の成績が20%、2年生が20%、3年生が60%で内申点が算出されます。つまり合格が限りなく不可能な「35」で内申点の約半分が計算されてしまうのです。
少し前後しますが、五ツ木模試では9月、10月とB判定をたたき出すも、肝心の11月はD判定…
B判定といっても、内申点をその時点での数値で当てはめるとE判定。
依然として、合格は厳しい状況です。過去のデータではいまだに合格者がほとんどいないようなレベルです。
私立高校も「ここなら専願でも…」と言っていた学校には少し届かないレベルでした。私立は少し不本意な2番目の選択肢だった高校には無事に合格します。
その後、公立入試へ向けてラストスパート中の2月末ごろ、休憩時間に合格した私立高校のパンフレットを物憂げに眺める姿が目に焼き付いています。あとから聞くと「もう、私立でもいいかなぁ…」とあきらめかけていたそうです。
それもそのはずで、公立高校の入試問題の特性になかなかフィットできず、入試直前まで国語の作文や英語のライティングやリスニングに苦戦する日が続いていたのです。
そして、あっという間に入試本番、合格発表を迎えました。
「ウソやろ!」
もう、合格発表を迎えるのは大手個別指導塾時代を含めると13回目。でも慣れるものではありませんね。当日は電話が鳴るたびに手に汗をかきました。
そして、ついにKくんからも報告が!
その報告に思わず「ウソやろ!」と言ってしまいました。
すごく失礼ですよね。でも本音だったと思います。
「ゴメン、ゴメン。『ウソ』はないわなぁ。本当によく頑張った!!おめでとう!!」
なぜ、こんなに苦しんだのか
冒頭にも書きました。これは「三国丘に合格したよ」「すごいでしょ」という自慢ではありません。
Kくんの素晴らしいところは、たくさんあります。早い段階で目標を持っていたこと。ギリギリでしたが相談に来てくれたこと。厳しいアドバイスにもメゲなかったこと。目標に向けて努力し続けたこと。厳しい状況でも自分の意思を貫いたこと。
それをお伝えしたうえでキビシイことを指摘します。これが今回お伝えしたいことです。
なぜ、Kくんはこんなにも苦しい1年を過ごしたのでしょう?
それは1年生から「三国丘高校」を意識していたののにも関わらず、行動が伴わなかったからです。具体的に言うと、学校の授業や提出物を疎かにしたからです。(まぁ、内申点が惨憺たる状況でなければ、こんなにも頑張ることはできなかったかもしれませんが…)
本当に「受かったからよかったものの…」です。私たちも一年間ヒヤヒヤし続けました。もちろん、その原因の一端は私にもあると肝に銘じています。
ぜひ、Kくんの物語を他山の石としてください。
内申点次第でKくんの秋の模試でもB判定はA判定にもD判定にもなります。入試本番での得点が同じでも内申点によって合格にもなれば、不合格にもなるということです。
「入試本番は緊張して実力を発揮できなかった」なんていうこともありますが、内申点は一度決まれば不動です。
ということで、明日以降に内申点の中でもそれなりのウェートを占める「提出物」について書く予定です。
長文を最後までお読みいただき、ありがとうございます。