2019年10月22日
先日の日曜日、池上彰さんの講演会「大学入試改革も怖くない!時事ニュース読み解きで学力アップ」に参加してきました。ご家庭でも参考になる内容を何回かに分けてシェアしますね。
大学では何を学ぶ?
日頃、中学生や高校生に接していて「大学には行っておきたい」という声を耳にします。多くの生徒たちは義務教育である小学校と中学校の延長で、高校や大学を考えているようです。
講演の冒頭で高校までの教育と大学との違いをわかりやすく明示してくれました。(以下、講演内容です)
先生の言うことを疑え
大学には学習指導要領(簡単に言うと学ぶべき内容が書かれたモノです)や、教科書がありません。
高校までは間違いのないこと、正しいことを勉強してきました。
大学では、先生は教育者であるとともに研究者であり、最先端のことを学ぶことができます。でも、その内容には間違いもあり得ます。なぜなら現在進行形で進んでいる研究内容だからです。
間違っているかもしれないことを学ぶということは、大学時代に無駄な時間を過ごすリスクがあるということです。でも、それが面白いことではないでしょうか。
大学では、先生の言うことを疑う必要があります。
「経済学者が3人集まると、4つの学説が生まれる」と言われています。一人の先生のゼミに入ると学ぶ内容が偏る可能性があります。だから学問においてはすべてを疑う必要があります。それが大切なことです。
正しい答えを早く出すチカラ=忖度力は問題?
高校までは正しい答えがありました。
だから偏差値エリートは先生が求めている答えを察知する能力に長けています。そして、そこで褒められることが成功体験になります。
「求められることを瞬時に判断すること」=忖度(そんたく)力が優れてきます。
忖度力が優れている人が、どんどん官僚になっていく。これは問題ですよね?
問いを立てるチカラが大切
自分はどう生きるのか、今の世界はどうすべきか、良き問いを立てることが大学や今後の世界では求められています。
世の中に出ると正解のない問題だらけになる。
その答えを見つける力を養成するのが大学ではないでしょうか?
だからその基礎として、高校まででも色々なことを学ぶべきだと思います。
(講演内容、一旦ここまで)
池上彰さんは有言実行?
池上さんが授業を担当している大学のひとつ、東京工業大学で全ての授業がスタートする前に上記のような話をするそうです。
そして授業では良き問いを立てる練習、自分の頭で考えること、そしてそれを記述式でアウトプットすることを実践していらっしゃいます。
800字の記述式でのテストなので単位を落とす学生が多く、年を追うごとに履修希望者も減ったそうです。でも数年前から希望者が増え、単位を落とす学生が減ってきたとのこと。
自分が信じることを続ける。講演の内容にあった「自分はどう生きるのか、今の世界はどうすべきか」をまさに実践した例だと受け取りました。
最後までお読みいただいて、ありがとうございます。